造幣局製の国宝章牌は、2007年(平成19年)より販売が開始され、貴重な国宝の文化財を章牌のデザインとしております。
第三弾となる「厳島神社」は、平成8年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。
「安芸の宮島」は、海に浮かぶ社殿と背後にそびえる弥山(みせん)が見事に調和した創造物であり、日本三景の1つに数えられていることでも有名です。
国宝賞牌 厳島神社の仕様や図柄についてなど写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。
※こちらで紹介する国宝章牌は、純銀製のものになります。
国宝章牌 厳島神社(純銀)の仕様
以下、付属の栞による説明。
国宝章牌は、貴重な国宝及びそれに付随する文化財をシリーズで取り上げて商品化したもので、今回は、世界遺産にも登録されている「厳島神社」を題材として選定しました。』
化粧箱は朱色
厳島神社と大鳥居と言えば、朱色を基調とする色彩の美。章牌自体に彩色はありませんが、化粧箱を朱色(オレンジ色)にすることでイメージにあったものとなっております。
国宝章牌 厳島神社のデザインについて
章牌を縁取るように大鳥居が眼前に、平舞台の先端の火焼前(ひたさき)には、青銅の灯籠が中央(と左右)に据えられます。さらに奥には本殿が鎮座しており、海から望む厳島神社の景観を表したもの。手前の大鳥居、中央の青銅灯籠、その奥の本殿と奥行きのあるデザインとなっております。
章牌の細部を見てみると、大鳥居の神額には「厳島神社」文字が確かに刻まれています。
中央の青銅灯籠は、ここから大鳥居を背景に写真を撮る絶好のスポット。訪れたことがある方は、こんな形だったと思える作りだと思います。
また、章牌下部分のさざ波も自然な形でデザインされており、海上に建ち並ぶ厳島神社をうまく表現されています。
細部の浮彫りもよく作り込まれています。
背面のデザイン
十羅刹女の黒歯がデザインされています。
この黒歯は、「平家納経 観普賢経」の見返し(冒頭)に描かれているもので、十二単衣姿で剣をかざす女官の姿をしております。
また、左手には水瓶を持つ姿も見てとれ、やや不鮮明なところも含め、原本を忠実に再現したものと言えるでしょう。
※法華経を護持する鬼神である十羅刹女は、尼藍婆、毘藍婆、曲歯、華歯、黒歯、多髪、無厭足、持瓔珞、皐諦、奪一切衆生精気の十人のこと。
ホールマークが自然な感じに
ホールマーク(造幣局品位証明刻印)は、国宝章牌の第一弾「法隆寺」に比べるとかなり自然な形になりました。
比較してみると一目瞭然だと思います。こうした細かい部分での改善も取り組まれているのが感じ取れます。
国宝章牌 厳島神社(純銀)の販売価格について
2009年(平成21年)に販売された価格は、19,000円(税込み、送料込み)。販売予定数は、4,000個。
販売価格は、2021年までに発売された国宝章牌の中で最も低価格なものになっております。おそらく、地金である銀の調達価格や製造工程の効率化などで価格の調整がなされたものだと思います。(同年発売の肖像メダル伊藤博文(純銀製160g)、日蘭通商400周年記念メダル(純銀製160g)も同じ価格)
また販売予定数量は、前年発売の姫路城から1,000個ほど少なくなりました。姫路城の申込数から予定数を調整されていると思われます。以降の販売予定数は3,000個になりました。
フリマサイト、オークション等での実売価格(純銀製)
日付 | 取引価格 |
---|---|
2022/06 | 20,480円 |
2022/06 | 21,680円 |
2022/06 | 17,000円 |
2022/06 | 17,500円 |
2022/05 | 23,500円 |
2022/03 | 20,500円 |
2022/03 | 19,500円 |
2022/03 | 19,800円 |
2022/02 | 22,500円 |
2022/01 | 19,000円 |
2021/12 | 19,000円 |
2021/11 | 17,500円 |
2021/10 | 18,000円 |
2021/09 | 18,773円 |
2021/09 | 21,000円 |
2021/08 | 18,995円 |
2021/08 | 20,000円 |
2021/08 | 22,130円 |
2021/07 | 21,509円 |
2021/06 | 24,006円 |
2021/05 | 24,362円 |
2021/05 | 25,520円 |
2021/03 | 25,611円 |
2021/02 | 25,200円 |
2020/10 | 14,900円 |
2020/07 | 30,000円 |
2020/07 | 15,501円 |
2020/06 | 16,000円 |
2020/06 | 32,500円 |
2020/05 | 14,500円 |
2020/02 | 13,300円 |
2020/01 | 13,010円 |
2020/01 | 13,500円 |
直近の取引価格は上記の通り。平均すると約19,000円くらいが実売価格と言えそうです。しかし、昨今の銀相場高騰に伴い直近の取引価格が上がっています。(2022年の銀相場は、1グラム90~110円で推移)国宝章牌の重さが160gくらいですので、地金の価値に近い価格での取引と言えるでしょう。
また、厳島神社は販売数量が比較的多かったことからそれなりに出回っています。
今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)