造幣局 国宝章牌 中尊寺の紹介(2014)

造幣局 国宝章牌 中尊寺 国宝章牌
国宝章牌 中尊寺

 造幣局製の国宝章牌は、2007年(平成19年)より販売が開始され、貴重な国宝の文化財を章牌のデザインとしております。

本作は第八弾、「中尊寺」が題材に取り上げられました。

世界文化遺産に登録されていることでも知られる中尊寺は、文化財保護法の制定後、金色堂が国宝建造物第一号に指定されております。

また、中尊寺のある四季折々の岩手県平泉に足を運ばれた方も多いかと存じます。(春の桜、夏の蓮、秋の紅葉、冬の雪化粧。何時訪れても贅沢な時間が過ごせます)

国宝賞牌 中尊寺の仕様や図柄についてなど写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。

※こちらで紹介する国宝章牌は、純銀製のものになります。

国宝章牌 中尊寺(純銀)の仕様

章牌の図柄と仕様
章牌の図柄と仕様
材質:純銀(造幣局品位証明刻印入り)
直径:六十ミリ
重さ:約百六十グラム
仕上:銀いぶし仕上げ(表面)

以下、付属の栞による説明。

『国宝章牌は、貴重な国宝及びそれに付随する文化財をテーマにシリーズ化したもので、今回は、「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」として、世界文化遺産に登録されている「中尊寺」を選定しました。』
国宝章牌中尊寺の表
中尊寺金色堂
表:中尊寺金色堂内部の様子のデザインを背景に、金色堂及び中尊寺ハスをレリーフ(浮き彫り)で表現しています。
国宝章牌中尊寺の裏
金銅華鬘
裏:金色堂内具の金銅華鬘(こんどうけまん)をデザインし、背景は、金銅華鬘に描かれている宝相華(ほうそうげ)を梨地加工技術を用いて表現しています。

国宝章牌 中尊寺のデザインについて

国宝章牌中尊寺の表
中尊寺金色堂とハス

金色堂の実物を目にした方は、正面から見たこの景色を思い出されるかもしれません。

章牌の構図としては中尊寺ハスとの間に金色堂があしらわれ、両側には仏像が配された構図から私達が目にする中尊寺金色堂とはやや異なるもの。
私は最初、わずかな違和感を覚えたものですが、栞の説明書きに「中尊寺金色堂内部の様子のデザインを背景に」とあり、構図の意味が理解できました。

章牌上部の御簾のようなものも内陣の上部にかけられておりますし、両側の仏像は西南壇、西北壇を表すものかもしれません。

また、中尊寺ハスも見事に描かれております。

中尊寺ハスといえば

国宝章牌中尊寺の表
中尊寺ハス

蓮ひらく 光堂より 風の道(岩淵正力)
西方へ 日の遠ざかる 紅蓮(野沢節子)

中尊寺で見かける蓮の案内板で見かける俳句になります。

「紅蓮」は、つい「ぐれん」と読んでしまいますが、五七五の読みを考えると『あかはちす』が正解なのだと思います。

国宝章牌中尊寺の表
別名「泰衡蓮」(やすひらはす)

中尊寺ハスは、奥州藤原氏最後の当主、第4代藤原泰衡の首桶の中から発見されたハスの種子から開花したことから、別名「泰衡蓮」(やすひらはす)と呼ばれます。

章牌中心の阿弥陀如来

国宝章牌中尊寺の表
阿弥陀如来

表面の図柄の中で特筆すべきは、本尊を安置する須弥壇部分に、阿弥陀如来と両脇の観音勢至菩薩が見てとれるところ。
阿弥陀如来の大きさで言えば、3、4mm程度のもので、極小ながらもその姿形を認識できる精緻さは目を見張るものだと思います。

また、右壇と左壇にも仏像が描かれています。

国宝章牌中尊寺の表
左壇(仏像視点)

左壇に立像が見られる。

国宝章牌中尊寺の裏
右壇

右壇もうっすらながら立像の様子が窺える。

背面のデザイン

国宝章牌中尊寺の裏
金銅華鬘

これが素晴らしい。

梨地加工された宝相華に浮き上がる金銅華鬘(こんどうけまん)は、細部まで作りこまれています。

左右の極楽に飛ぶ人面鳥・迦陵頻伽(かりょうびんが)は、ご尊顔を拝見することができ、内側に宝相華の模様を見てとれます。

国宝章牌中尊寺の裏
左右の迦陵頻伽

背景の梨地加工は、過去作の国宝章牌 平等院でも採用されていますが、見栄えするデザインだと思います。

国宝章牌中尊寺の裏
潜像加工による宝相華紋

ホールマーク

国宝章牌中尊寺の裏
造幣局ホールマーク

ホールマーク(造幣局品位証明刻印)は、背面下部に刻印されております。

国宝章牌 中尊寺(純銀)の販売価格について

2014年(平成26年)に販売された価格は、24,000円(税込み、送料込み)。
販売予定数は、2,500個。

前作の興福寺の販売予定数は、3,000個でした。
純銀製の国宝章牌は、これまでに販売された中では抽選になったことがありません。
実売数の公表はありませんが、過去作の実売数を考慮して販売予定数を設定していると思われます。

※白金製では、平等院(2012)の抽選会が行われたことがあります。白金製もこの一度のみです。

なお、本作より白金製のものは、純金製に変わりました。(これ以降も純金製が採用されております)
堂内外の建築物、仏像、工芸品の数々に金箔を押された細工が至る所に施された「皆金色」と称される中尊寺金色堂ですので、純金製での販売はうなずけるものだと思います。

フリマサイト、オークション等での実売価格(純銀製)

国宝章牌中尊寺の化粧箱
外箱
日付 取引価格
2023/03 19,510円
2023/03 21,588円
2023/03 17,111円
2023/02 23,800円
2023/02 23,956円
2023/02 21,300円
2023/01 25,300円
2023/01 23,820円
2022/09 20,100円
2022/06 21,111円
2022/06 17,000円
2022/05 20,000円
2022/04 21,800円
2022/03 19,500円
2022/02 18,000円
2022/02 23,500円
2022/01 19,000円
2022/01 19,199円
2021/12 18,500円
2021/12 20,000円
2021/11 18,500円
2021/10 23,000円
2021/09 23,000円
2021/08 23,000円
2021/07 21,520円
2021/05 25,000円
2021/04 21,620円
2021/04 23,833円
2021/02 20,000円
2021/01 19,000円

直近の取引価格は上記の通り。平均すると約20,000円くらいが実売価格と言えそうです。概ね他の国宝章牌の作品と変わらず、このシリーズの平均的な価格であると言えると思います。

国宝章牌中尊寺の化粧箱
化粧箱

今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)

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