造幣局 国宝章牌 高野山 金剛峯寺の紹介(2011)

造幣局 国宝章牌 高野山 金剛峯寺 国宝章牌
国宝章牌 高野山 金剛峯寺

 造幣局製の国宝章牌は、2007年(平成19年)より販売が開始され、貴重な国宝の文化財を章牌のデザインとしております。

本作は第五弾目「高野山 金剛峯寺」が題材に取り上げられました。

世界文化遺産に登録されていることでも知られる高野山 金剛峯寺は、多数の国宝を有します。このうち、不動堂とかつて奉安されていた八大童子をデザインに採用されております。

国宝賞牌 高野山 金剛峯寺の仕様や図柄についてなど写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。

※こちらで紹介する国宝章牌は、純銀製のものになります。

国宝章牌 高野山 金剛峯寺(純銀)の仕様

章牌の図柄と仕様
章牌の図柄と仕様
材質:純銀(造幣局品位証明刻印入り)
直径:六十ミリ
重さ:約百六十グラム
仕上:銀いぶし仕上げ

以下、付属の栞による説明。

『国法とは、有形文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものを国が指定しているものです。
国宝章牌は、貴重な国宝及びそれに付随する文化財をテーマにシリーズ化したもので、今回は、多くの国宝を有し、「紀伊山地の霊場と参詣道」として重要文化財に登録されている「高野山 金剛峯寺」を選定しました。』
国宝章牌高野山金剛峯寺の表
高野山金剛峯寺
表:高野山 金剛峯寺不動堂と制多迦童子立像(せいたかどうじりゅうぞう)をレリーフ(浮き彫り)で表現しました。

※制多の「多」は、口へんに「宅」のうかんむりなしの字体でしたが、環境依存文字のため、国宝指定名称である「制多迦」と表記しました。

国宝章牌高野山金剛峯寺の裏
金剛吼菩薩像
裏:金剛吼菩薩像(こんごうくぼさつぞう)を火焔光背(かえんこうはい)とともにデザインし、高野山を開創した弘法大師空海の自筆である「聾瞽指帰(ろうこしいき)」中の「空」の文字を配しています。

国宝章牌 高野山 金剛峯寺のデザインについて

国宝章牌高野山金剛峯寺の表
高野山金剛峯寺

制多迦童子立像をメインに、背後には金剛峯寺不動堂が配されたデザインです。

国宝章牌高野山金剛峯寺の表
制多迦童子立像

制多迦童子立像は、左手には金剛杵、右手には金剛棒を持ち、首と肩にかけられた天衣の再現も見事。
立像の縁取りは、やや強めに刻まれたものですが、サイズの小さい白金製ではくっきりと際立つ感じがありました。

また、不動堂とその背景には山林が描かれておりますが、自然と融合した素晴らしい景観が感じられるものだと思います。

国宝章牌高野山金剛峯寺の表
不動堂

細部の浮彫りもお見事。陰影を使い、奥行きを感じさせる作り込みが見られます。

国宝章牌高野山金剛峯寺の表
背景の山林

山林の部分は、よく見るとごちゃごちゃとしているようにも見えるのですが、原本を忠実に再現された結果だと思います。

国宝章牌高野山金剛峯寺の表
自然な背景

山林の背景は、遠目に見てみると自然な感じに見えるところもよくできています。

国宝章牌高野山金剛峯寺の表

制多迦童子の浮彫りもお見事。
十五歳ほどの童子の姿と言われておりますが、ふくよかで目力のある様子がしっかり彫り込まれています。

背面のデザイン

国宝章牌高野山金剛峯寺の裏
線彫りと潜像加工

背面中央に、金剛吼菩薩像を線彫りに、その背後に火焔光背が潜像加工で描かれています。

また「空」の字は、空海の自筆。「聾瞽指帰」から抜粋のもの。おそらく『虚空蔵聞持』の空の文字からだと思われます。(もしくは、巻末の十韻の詩に出てくる『□抜には両空を車とす』(□の部分の字は「者」の下に「飛」))

国宝章牌高野山金剛峯寺の裏
空海自筆「空」

潜像加工は、偽造防止技術の維持・向上の取り組みの一環として施されたものであります。

国宝章牌高野山金剛峯寺の裏
潜像加工

隠し文字などはないが、火焔光背が浮かび上がる。

国宝章牌高野山金剛峯寺の裏

金剛吼菩薩像

国宝章牌高野山金剛峯寺の裏

線彫り

ホールマーク

国宝章牌高野山金剛峯寺の裏
造幣局ホールマーク

ホールマーク(造幣局品位証明刻印)は、背面下部に刻印されております。

国宝章牌 高野山 金剛峯寺(純銀)の販売価格について

国宝章牌高野山金剛峯寺の外箱
外箱

2011年(平成23年)に販売された価格は、30,000円(税込み、送料込み)。
販売予定数は、3,000個。

実売数に関しては公表はありませんが、定型的な銀加工に関して一般競争入札が行われております。
その数量の公募は、『2,500個(予定数量)』とありましたので、実売数も2,500個以内と考えられます。

販売価格の高騰は、銀地金相場の高騰によるもの

販売価格は、前作の日光東照宮(21,000円)から大きく値上がりしています。これは、当時の銀地金相場の高騰の影響によるものです。

2010年まで、1グラム60円前後で推移していたものが、
2011年には、1グラム90円~100円まで高騰しました。

ご存知の方もおられるかと思いますが、昨今(2020年)も金相場が史上最高値を更新しております。
これは2011年以来9年ぶりのことで、金相場の高騰につられ、銀相場も上昇をしています。
2011年当時は、昨今の状況とは少々異なりますが、このときも金相場の上昇、および太陽光バブルによる銀需要の増加に伴い、銀相場が高騰しておりました。

銀は、今後も電気自動車の普及に伴い、需要が高まる見込みもあります。相場の一服はあるかと思いますが、上昇傾向にあるのは確かだと思います。

フリマサイト、オークション等での実売価格(純銀製)

日付 取引価格
2022/07 21,000円
2022/06 20,500円
2022/06 20,900円
2022/06 18,000円
2022/05 19,000円
2022/05 21,000円
2022/05 21,000円
2022/04 23,000円
2022/04 20,510円
2022/04 20,500円
2022/02 19,000円
2022/02 23,000円
2022/02 24,000円
2022/01 21,000円
2022/01 23,000円
2021/10 22,000円
2021/09 32,200円
2021/09 22,500円
2021/08 23,722円
2021/07 25,512円
2021/06 29,021円
2021/05 24,000円
2021/05 25,580円
2021/04 27,800円
2021/04 26,000円
2021/02 22,222円
2021/01 24,565円
2021/01 22,000円
2020/09 26,711円
2020/08 19,000円
2020/06 18,003円
2020/06 16,700円
2020/05 17,500円
2020/05 17,000円
2020/03 17,500円
2020/02 18,000円

直近の取引価格は上記の通り。平均すると約20,000円くらいが実売価格と言えそうです。
高野山 金剛峯寺は、販売価格が高かったこともあり、他の国宝章牌より若干高めの価格で取引されています。

国宝章牌高野山金剛峯寺の化粧箱
化粧箱

今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)

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