造幣局 七宝章牌 仙台七夕まつりの紹介(2011)

造幣局 七宝章牌 仙台七夕まつり 七宝章牌
七宝章牌 仙台七夕まつり

 造幣局製の七宝章牌は、平成21年度より日本の『祭』をテーマとして販売されております。

今作の販売は、平成23年(2011年)の夏頃。3月11日の東日本大震災から数ヵ月を経て、鎮魂と復興を願う東北の祭りの開催時期でもありました。

本作は、「仙台七夕まつり」を題材に、復興の願いも込められた作品になっております。

七宝賞牌 仙台七夕まつりの仕様や図柄、彩色、デザインについてなど写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。

七宝章牌 仙台七夕まつりの仕様

章牌の図柄と仕様
章牌の図柄と仕様
材質:純銀(品位証明マーク入り)
直径:60mm
重さ:約160g
仕上:七宝・金メッキ

付属の栞による説明

『この七宝章牌は、「復興と鎮魂」をテーマに、仙台・宮城そして東北全体の復興を願うお祭りとして開催された「仙台七夕まつり」を題材としてデザインし、製造いたしました。
 仙台七夕まつりは、仙台藩祖の伊達政宗公の時代から年中行事の一つとして行われていたもので、毎年八月六日から八日の三日間にわたり開催され、くす玉や吹き流しなど、毎年当たらに手作りされる七夕飾りが街中を彩ります。』

七宝章牌 仙台七夕まつりの図柄(外観)

仙台七夕まつりの表面
仙台七夕まつり(表)
【表】
 吹き流しを愛でる男女の様子を、七色の七宝により豊かな色彩と繊細な技法でデザインしています。吹き流しの色には透明感のある透け七宝を多く用いることにより、「復興と鎮魂」の願いを込めています。
仙台七夕まつりの裏面
仙台七夕まつり(裏)
【裏】
 「仙台七夕まつり」の文字、笹の葉、七夕飾り(短冊、折り鶴)を配し、背景に天の川を構成しデザインしています。

変更された題材

仙台七夕まつりの箱
仙台七夕まつりの外箱

七宝章牌のテーマが日本の『祭』となってから、本作は3作品目にあたります。

1作目「天神祭」2作目「祇園祭」と日本三大祭を題材にされてきましたので、本来は『神田祭』を3作品目に予定していたと思われます。

発売年である2011年は、3月11日に未曾有の大災害となった東日本大震災が起こり、東北地方は甚大な被害をもたらしました。
その数ヵ月後、夏の時期は東北地方の代表的な祭りの開催時期となりますが、この年の祭りは震災からの復興を願うものでもありました。

2011年7月16、17日には「東北六魂祭」として、6都市の祭りが仙台の地に一堂に会します。(青森ねぶた祭、秋田竿灯まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、福島わらじまつり、仙台七夕まつり)
長い歴史の中で初めてひとつになった祭りの競演は、東北の強い絆と復興への力強い歩みを感じさせるものだったと思います。

また、2011年8月6~8日開催の「仙台七夕まつり」では「復興と鎮魂」祈りをテーマに、仙台・宮城そして東北全体の復興を願うお祭りとして開催されております。

こうした世情の中、造幣局では七宝章牌の題材を通して復興への願いを込められます。

なお、翌年の作品も『青森ねぶた祭』と東北の祭りが続いております。

仙台七夕まつりの箱
漆塗り木製ケース

七宝章牌 仙台七夕まつりの採色について

仙台七夕まつりの表面
色鮮やかな吹き流し
白、黒、灰、橙、青透、赤透 の6色。

※製品仕様に記載がないため、七宝釉薬の絵具サンプルを確認して色を判断しております。

どの部分にどの彩色が使われているか見てみると

七夕飾り 白、深緑、桃透、赤透、水透、茶透
背景

といった配色と思われます。

多くは七夕飾りの吹き流しの部分に彩色が施されておりますが、下地のデザインを生かすため、透明感のある透け七宝を多く使われているところが特徴的です。

仙台七夕まつりの表面
透け七宝が多く使われている

七宝章牌 仙台七夕まつりのデザイン(解説)

仙台七夕まつりの表面
吹き流しの動きのある様子を表現

七夕飾りの主役である「吹き流し」がメインのデザインであり、その他の飾りは短冊が見てとれるくらいです。(紙衣、折鶴、投網、巾着、屑篭は見当たらず)

織姫の織糸を象徴とする吹き流しは彩色の違いのみならず、玉飾りの違いや吹き流しの透け柄もそれぞれ異なり、細かい部分の表現が見事なもの。

背景は晴天を表す夏空が映え、そよ風にのせてはためく吹き流しをうまく表現されております。

また、笹の葉にかけられた短冊をよく見ると「おりひめ」と書かれているのがわかります。
もう一つの方も何かが書かれているようですが、読み取ることができません。ひこぼし?でしょうか。

仙台七夕まつりの表面
細かい部分の七宝盛り

細部の七宝も丁寧に盛り付けられているのがわかります。

仙台七夕まつりの表面
見上げる観客

男女の髪の部分に金型の作りの良さを感じます。

背面のデザイン

仙台七夕まつりの裏面
短冊と折り鶴

天の川を背景に、笹の葉に飾る、短冊、折り鶴が配されています。

短冊の「仙台」「七夕まつり」の力強い楷書も見応えがありました。

仙台七夕まつりの裏面
楷書の字形も良く再現

七宝章牌 仙台七夕まつりの販売価格について

2011年(平成23年)に販売された価格は、128,000円(税込み、送料込み)。

前作から引き続き変動はありません。
しばらくはこの価格での販売が続きます。

また、当時の販売予定数量は500個でした。
「お申し込み状況によっては、数量を変更する場合があります。」の但し書きがありましたので、数量は販売予定数を前後している可能性があります。

フリマサイト、オークション等での実売価格

日付 取引価格
2024/01 39,300円
2023/12 37,111円
2023/12 40,620円
2023/09 38,100円
2023/06 36,600円
2023/06 38,000円
2023/05 40,150円
2023/03 37,500円
2023/03 37,600円
2023/02 35,008円
2023/02 35,008円
2022/12 39,996円
2022/05 35,500円
2022/04 36,600円
2022/04 35,588円
2022/02 65,000円
2021/10 44,515円
2021/10 40,000円
2021/10 40,000円
2021/09 41,500円
2021/07 36,000円
2021/03 44,000円
2020/09 31,000円
2020/09 30,500円
2019/11 45,000円
2019/09 36,990円
2019/08 27,900円
2019/04 26,506円
2019/04 30,000円
2019/03 24,500円
2018/12 30,000円
2018/06 35,500円
2018/10 35,000円
2018/09 32,500円
2018/09 28,500円
2018/06 54,000円
2018/04 26,500円
2018/04 27,000円
2018/02 36,000円
2018/01 35,000円
2018/01 33,500円
2017/05 30,500円
2016/10 20,500円
2016/04 30,500円
2015/10 40,300円

直近で確認できたところはこの45件でした。

平均すると約35,000円くらいが実売価格と言えそうです。
仙台七夕まつりに関しては、他の七宝章牌に比べると幾分か出品されることが多いようです。
取引される価格も下限では、25,000円前後の場合もありますので、時期よく購入ができればかなり安く手に入れられるものかと思います。

今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)

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