造幣局 七宝章牌 祇園祭の紹介(2010)

造幣局 七宝章牌 祇園祭 七宝章牌
七宝章牌 祇園祭

 造幣局製の七宝章牌は、平成21年度より日本の『祭』をテーマとして販売されております。

今作は昨年の「天神祭」に続き、日本三大祭の一つである「祇園祭」が取り上げられました。
章牌のデザインには山鉾巡行の様子が描かれますが、これまでの作品と比べより細部まで図柄が表現されたものになりました。

七宝賞牌 祇園祭の仕様や図柄、彩色、デザインについてなど写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。

七宝章牌 祇園祭の仕様

章牌の仕様
章牌の仕様(造幣局ミントクラブ33号より引用)
材質:純銀(品位証明マーク入り)
直径:60mm
重さ:約160g
仕上:七宝・金メッキ

付属の栞による説明

『この七宝章牌は、長い歴史と伝統を誇り、日本三大祭の一つに挙げられる「祇園祭」を題材としてデザインし、製造いたしました。
「祇園祭」は、京都市東山区祇園にある八坂神社の祭りで、七月一日の吉符入りに始まり、鉾建て、山建て、宵山、山鉾巡行、神幸祭、還幸祭、などの行事が約一ヶ月間にわたり行われます。
 祭りのハイライトは、七月十七日に行われる山鉾巡行です。長刀鉾を先頭に三十二基の山鉾が四条烏丸から新町御池までを巡り、途中には「くじ改め」や「辻回し」など多くの見所があります。』

七宝章牌 祇園祭の図柄(外観)

祇園祭の表面
祇園祭(表)
【表】
 山鉾巡行の光景から、長刀鉾を先頭に京都四条通を山鉾が巡行する様子を、白、黒、灰、橙、青透、赤透の六色の七宝による豊かな色彩と繊細な技法で表現しています。
祇園祭の裏面
祇園祭(裏)
【裏】
 宵山の山鉾を飾る駒形提灯と「祇園祭」の文字を図案化しています。

日本の『祭』がテーマとなり、章牌裏面は題材に因むものに

造幣局製の七宝章牌は、本作『祭』の前のテーマは、『伝統芸能』でした。
伝統芸能をテーマに「能・狂言」、「人形浄瑠璃文楽」、「歌舞伎」、「藤娘」、「雅楽」が販売されましたが、章牌裏面のデザインは「題材の名称+伝統紋様」でありました。

祇園祭の裏面
祇園祭と駒形提灯

平成21年度からの新テーマ『祭』では、章牌裏面が「題材の名称+題材に因む図案」が配されるように変わっています。
このため裏面のデザインも題材の見所があり、表面と合わせて楽しめます。

本作、祇園祭では宵山の山鉾を飾る駒形提灯が配されていますので、山鉾巡行の前夜祭にあたります。

七宝章牌 祇園祭の採色について

祇園祭の表面
祇園祭
白、黒、灰、橙、青透、赤透 の6色。

どの部分にどの彩色が使われているか見てみると

長刀鉾 白、黒、橙、青透、赤透
函谷鉾 黒、赤透
背景(京都四条通) 白、黒、灰

といった配色と思われます。

図柄のメインである長刀鉾に使われる色は、黒、青透、赤透 と限られてはいるものの、音頭取(二人)を白色に、彫刻部分の金彩と合わせ、山鉾の豪華な装飾もうまく表現されています。

なお、橙は章牌の中央やや上の稚児の部分に使われております。

祇園祭の表面
稚児の部分

七宝章牌 祇園祭のデザイン(解説)

祇園祭のデザインは彩色の記載でも触れましたが、山鉾巡行の光景から「長刀鉾」「函谷鉾」「京都四条通」が描かれております。

長刀鉾は、屋根や破風が細部まで彫刻されており、胴体部分の下水引、胴懸の織物装飾が透かしが入り、色合いと共にとても美しい仕上がりです。
この他、車方などの曳子の姿も衣装をよく表現されていると思います。

祇園祭の表面
車方

また、後方には函谷鉾も描かれておりますが、鉾の屋根上の真木(しんぎ)の榊や網隠しの装飾が見てとれます。さすがに天王人形(孟嘗君)の姿までは見つけることができませんでしたが、かなり細かい部分まで作り込まれているのが分かると思います。

祇園祭の表面
函谷鉾

背景の京都四条通はやや残念

祇園祭の表面
京都四条通(背景)

山鉾巡行の背景には京都四条通(の建物)が見られますが、建物はデフォルメされており、配色も灰(にその背景は白)と味気ないもので、この辺りが少し残念だと思いました。

図柄のメインは長刀鉾ではありますので、山鉾を映えさせるための配慮かもしれません。
また、限られた彩色で表現している制約もあるかもしれませんが、もう少し背景にも力を入れて欲しかったというのが正直なところです。

七宝章牌 祇園祭の販売価格について

祇園祭の裏面
背面のデザイン

2010年(平成22年)に販売された価格は、128,000円(税込み、送料込み)。

日本の祭りシリーズでは、128,000円の価格がしばらく続きます。
地金の銀相場の変動が大きくなければ、この辺りの価格が定価と言えるのでしょう。

また、当時の販売予定数量は400個でした。
「お申し込み状況によっては、数量を変更する場合があります。」の但し書きがありましたので、数量は販売予定数を前後している可能性があります。

(私の推測では400個を上回り販売していた場合でも、10か20程度の増産に留まっていると考えております。なぜなら漆塗り木製ケースは外部発注であり、一般競争入札だからです。競争入札にかける際に数量を指定して公募しています)

フリマサイト、オークション等での実売価格

日付 取引価格
2023/12 40,400円
2023/12 48,400円
2023/04 44,517円
2023/01 36,333円
2023/01 40,050円
2022/12 39,500円
2022/12 39,108円
2022/10 37,000円
2022/07 38,600円
2022/07 36,600円
2022/05 36,000円
2022/05 34,300円
2022/03 38,100円
2022/02 65,000円
2022/02 36,500円
2021/11 35,500円
2021/05 37,400円
2021/04 42,500円
2021/02 43,800円
2020/10 43,500円
2020/09 31,500円
2020/09 30,600円
2020/08 47,000円
2020/06 32,500円
2019/03 33,833円
2018/12 30,000円
2018/10 50,000円
2018/09 55,000円
2018/07 70,500円
2018/06 35,500円
2018/02 39,000円
2017/08 34,500円
2017/07 37,000円
2017/05 37,150円
2017/03 37,800円
2017/01 40,301円
2016/08 28,550円
2016/01 45,210円

平均すると約40,000円くらいが実売価格と言えそうですが、販売予定数が400個だったこともあり出品数は多くありません。また、購入の際は稀に状態がよくない場合もありますのでよくご確認の上、検討するのがいいものと思います。

祇園祭の化粧箱
化粧箱

今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)

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