造幣局 七宝章牌 天神祭の紹介(2009)

造幣局 七宝章牌 天神祭七宝章牌
七宝章牌 天神祭

 造幣局製の七宝章牌は、これまで「伝統芸能」を題材に5作品が販売されてまいりました。

今作第6作品目の七宝章牌は「天神祭」になりますが、これ以降日本の『祭』をテーマとした七宝章牌が販売されることとなりました。

これまで販売されてきた七宝章牌と同様に金属工芸品としての出来栄えは素晴らしいものですが、題材が伝統芸能から祭りに変わったことで華やかな一面を持つ作品となっております。

また、天神祭は日本三大祭(他は、京都の祇園祭、東京の神田祭)の一つであり、新しいシリーズにふさわしい題材になっているかと思います。

七宝賞牌 天神祭の仕様や図柄、彩色、デザインについてなど写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。

七宝章牌 天神祭の仕様

章牌の仕様
章牌の仕様(造幣局ミントクラブ31号より引用)
材質:純銀(品位証明マーク入り)
直径:60mm
重さ:約160g
仕上:七宝・金メッキ

付属の栞による説明

『 この七宝章牌は、長い歴史と伝統を誇り、日本三大祭の一つに挙げられる『天神祭』を題材としてデザインし、製造いたしました。
 大阪天満宮の夏大祭である「天神祭」は、天満宮御鎮座の翌々年、天暦5年(951年)に社頭の浜から神鉾を流し、流れついた浜に斎場を設けて「みそぎ」を行った折、神領民や崇敬者が船を仕立てて奉迎したのが始まりとされています。
 祭りの盛り上がりが頂点を迎える船渡御では、多数の船が大川を行き交い、奉納花火が打ち上げられます。』

七宝章牌 天神祭の図柄(外観)

天神祭の表面
天神祭(表)
【表】
 大川を行く船渡御の光景から、「人形船」「奉納花火」「大阪城」「川崎橋」を取り上げ、黄、トルコ青、黒、紺青透、赤、白の6色の七宝により、繊細かつ豊かな色彩で表現しています。
天神祭の裏面
天神祭(裏)
【裏】
 「天神祭」の文字と天満宮の紋の入った団扇、背景に船渡御と大川の流れのシルエットをデザインしています。

天神祭と縁のある造幣局

天神祭は、大阪市内の天満にある大阪天満宮の氏地を中心に、毎年宵宮が7月24日、本宮が翌7月25日に定められ、賑やかに行われます。

24日宵宮では、宵宮祭・鉾流神事・催太鼓・獅子舞氏地巡行。
25日本宮では、本宮祭・神霊移御・陸渡御・船渡御・奉納花火。

神様(菅原道真公)が氏地を巡行し、さらなる繁栄を祈願いたしますが、25日本宮の夜に執り行われる船渡御は大川を約100艘(そう)もの船が航行し、天神祭のクライマックスを迎えます。

独立行政法人造幣局の本局の立地は、船渡御が実施される大川の右岸に位置することから縁のある天神祭と言えるでしょう。

天神祭を日本の祭りシリーズ第一弾の題材にされたのは、ご縁と繁栄祈願が込められたものだったのかもしれません。

朱色になった漆塗り木製ケース

化粧箱
朱色の漆塗り木製ケース

前作では黒色でした漆塗り木製ケースが、今作では朱色に変わりました。日本の祭りシリーズでは以降も朱色の漆塗り木製ケースが用いられます。

化粧箱
前作の黒漆塗り木製ケース

上記は、前作までの黒漆塗り木製ケース。高級感のある作りは変わらず。

七宝章牌 天神祭の採色について

天神祭の表面
天神祭
黄、トルコ青、黒、紺青透、赤、白 の6色。

どの部分にどの彩色が使われているか見てみると

人形船白、トルコ青、赤
奉納花火白、黄、赤、紺青透
大阪城紺青透、黒
川崎橋紺青透

といった配色と思われます。

奉納花火の背景や川のうねりが七宝の盛付けによりうまく表現されています。
また、紺青透で奥行を表現されており、夜の祭りの華やかさを伝えてくれます。

天神祭の表面
奉納花火の背景

煌びやかな花火を七宝で表現。

天神祭の表面
川の色合い

大川と背景は同系色で表現。

七宝章牌 天神祭のデザイン(解説)

天神祭のデザインは彩色の記載でも触れましたが、大川を行く船渡御の光景から「人形船」「奉納花火」「大阪城」「川崎橋」が描かれております。

この中で注目なのが「人形船」です。

御迎え人形の「関羽」

天神祭の表面
関羽雲長公

人形船には天神祭に欠かせない「御迎え人形」が飾られておりますが、この人形の姿形もよくデザインされています。
鎧兜に装束の柄など細部が作り込まれているものです。

また、御迎え人形が持つのぼり旗には「人形(船)」の文字が刻まれており、加えて船乗りが持つ立て札にもよく見ると「関羽」の文字が刻まれています。

※関羽は、中国三国時代、蜀漢の武将。三国志で有名ですが現代では商売の神様として祀られています。

この辺りの精緻な作りが七宝章牌の魅力の一つと言えるでしょう。

背面のデザイン

天神祭の裏面
団扇と船渡御

背面は、天満宮の紋の入った団扇と深めの彫りの「天神祭」の毛筆体。

天神祭の裏面
造幣局製刻印

造幣局製刻印は、背面下部に。

天神祭の裏面
船渡御

ツヤ消し金メッキ仕上げ。

天神祭の裏面
浮彫り

浮彫りの様子。

七宝章牌 天神祭の販売価格について

2009年(平成21年)に販売された価格は、128,000円(税込み、送料込み)。

前作の雅楽の価格が、133,000円でしたのでやや値下がりしています。
以降の日本の祭りシリーズでは、128,000円の価格がしばらく続きます。
地金の銀相場の変動が大きくなければ、この辺りの価格が定価といった感じなのでしょう。

また、当時の販売予定数量は400個でした。
「お申し込み状況によっては、数量を変更する場合があります。」の但し書きがありましたので、数量は販売予定数を前後している可能性があります。

フリマサイト、オークション等での実売価格

日付取引価格
2023/1254,200円
2023/1256,000円
2023/1149,100円
2023/0438,588円
2022/0643,010円
2022/0463,010円
2021/0440,000円
2021/0249,800円
2020/1057,000円
2020/0766,050円
2020/0440,000円
2019/0436,500円
2019/0338,500円
2018/1052,500円
2018/0236,000円
2018/0135,000円
2017/1244,000円
2017/0538,000円
2017/0126,000円
2016/0717,600円
2015/1239,000円
2015/1033,500円

直近で確認できたところはこの22件でした。
平均すると約45,000円くらいが実売価格と言えそうです。
販売予定数が400個だったこともあり、年に数回お目にかかれればいいところかもしれません。

今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)

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