造幣局製の七宝章牌は、平成21年度より日本の『祭』をテーマとして販売されております。
七作品目となる本作は、徳島が世界に誇る伝統芸能「阿波おどり」が題材として取り上げられました。
章牌には男女各二人の踊り子と提灯を背景にデザインされ、祭りの熱気を伝えます。また、七宝章牌に四国の祭りが取り上げられるのは初めてのことでもありました。
七宝賞牌 阿波おどりの仕様や図柄、彩色、デザインについてなど写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。
七宝章牌 阿波おどりの仕様
付属の栞による説明
「阿波おどり』は、四百有余年前から現在の徳島県を中心とした地方で盛んに踊られるようになったと言われており、連と呼ばれる踊り子のグループが、太鼓、笛、三味線等の鳴り物の奏者とともに、特有の二拍子リズムで踊ります。
現在では徳島県内のみならず日本各地で数多く開催されるようになり、日本を代表する伝統芸能として世界にもその名を知られています。』
七宝章牌 阿波おどりの図柄(外観)
七宝章牌の発売年である平成27年は、徳島の記念貨幣も販売
七宝章牌 阿波おどりの発売は、平成27年(2015年)になりますが、造幣局ではこの他に徳島の記念貨幣も同年に販売されております。
地方自治法施行60周年記念貨幣(徳島県)
記念貨幣は、いずれの図柄も阿波おどりをメインに、千円銀貨幣は、鳴門の渦潮とすだちの花を。五百円バイカラー・クラッド貨幣は、女おどりと男おどりの配したもの。
特に千円銀貨幣の方はコレクターの間で人気があり、コレクションされている方も多いと思います。
奇しくも七宝章牌と同年の販売となり、鳴門市では「造幣局1日デザイン教室」が開かれれるなど、記念貨幣や記念メダルの注目が集まる年でもあったと思います。
七宝章牌 阿波おどりの採色について
※製品仕様に記載がないため、七宝釉薬の絵具サンプルを確認して色を判断しております。
どの部分にどの彩色が使われているか見てみると
男おどり | 青透、白、黒 |
---|---|
女おどり(左) | スミレ透、白、黒 |
女おどり(右) | 桃透、白、黒 |
背景(提灯等) | 青透、赤、黒、スミレ透 |
といった配色と思われます。
図柄の彩色の大部分に透け七宝が使用されており、章牌表面の精巧なレリーフを生かす彩色になっております。
七宝章牌 阿波おどりのデザイン(解説)
手前の女おどりは、色鮮やかに。奥の男おどりは、動き豊かに躍動し。祭りの様子がよく伝わる図柄になっております。
特に手前の女おどりのデザインは浴衣の水玉模様と彩色が左右で異なっていたり、手先のしなやかな動きが伝わる素晴らしいものだと思います。また、編み笠も藁の網目だけでなく、笠ひももそれとなくデザインされており、細部までよく表現されているものだと思います。
それぞれの踊り手の表情も個性があっていいものだと思いました。
背面のデザイン
背面は、五種類の鳴り物と奏者の様子が描かれています。
左奥から順に「大太鼓」・「締太鼓」・「鉦(かね)」左手前から順に「笛」・「三味線」
阿波おどりに用いられる鳴り物は、他にも「鼓(つづみ)」が用いられたりします。(肩のあたりで手で打ち鳴らす楽器)
阿波おどりは祭りの熱気や賑やかさはもちろんですが、三味線や笛の音色、鉦で締まる踊りの幕など、どこか儚さを感じたりもします。
本作品の発売は、7月に購入申し込みの告知があり8月上旬に発送されたものですが、ちょうど祭りの時期と重なる配慮も嬉しいものでした。
少しデザインの話から逸れてしまいましたが、祭りの雰囲気の伝わる味わい深い作品です。
七宝章牌 阿波おどりの販売価格について
2015年(平成27年)に販売された価格は、128,000円(税込み、送料込み)。
また、当時の販売予定数量は500個でした。「お申し込み状況によっては、数量を変更する場合があります。」の但し書きがありましたので、数量は販売予定数を前後している可能性があります。
※造幣局HPの販売情報には、抽選に関する記載は見当たりませんでしたので、少なくても大幅に数量が超過することはなかったものと思われます。
フリマサイト、オークション等での実売価格
日付 | 取引価格 |
---|---|
2024/07 | 45,600円 |
2024/06 | 45,500円 |
2024/05 | 50,000円 |
2024/04 | 41,500円 |
2024/03 | 39,500円 |
2024/02 | 50,000円 |
2023/12 | 46,500円 |
2023/12 | 53,900円 |
2023/03 | 39,500円 |
2023/02 | 35,010円 |
2022/09 | 36,600円 |
2022/05 | 35,000円 |
2022/04 | 37,708円 |
2022/02 | 50,000円 |
2022/02 | 35,000円 |
2021/06 | 49,900円 |
2021/05 | 41,250円 |
2021/05 | 43,691円 |
2020/06 | 52,000円 |
2020/01 | 70,000円 |
2019/09 | 34,500円 |
2019/08 | 33,800円 |
2019/02 | 36,055円 |
2018/11 | 31,000円 |
2018/10 | 40,500円 |
2018/10 | 45,000円 |
2018/08 | 40,201円 |
2018/08 | 36,500円 |
2018/08 | 36,500円 |
2018/07 | 38,038円 |
2017/07 | 36,700円 |
2017/01 | 41,110円 |
直近で確認できたところはこの33件でした。
平均すると約40,000円くらいが実売価格と言えそうです。阿波おどりに関しては、他の七宝章牌に比べると幾分か出品されることが多いように思います。取引される価格も下限では、35,000円前後の場合もありますので、時期よく購入ができれば安く手に入れられるものかと思います。
今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)