本章牌は、尾形光琳筆による『紅白梅図』屏風の二曲一双屏風から図柄を採用されたものになります。
紅白梅図屏風は尾形光琳の後期の代表作として知られ、左右の紅梅と白梅、背景の金地と銀地の水流といった均衡と調和の美が現代でも多くの人々を魅了する作品でありますね。所蔵はMOA美術館になりますが毎年展示品として見られます。熱海という土地柄、温泉旅行の折に訪れた方もいらっしゃるかと思います。なお、造幣局製の本作品も紅白梅図屏風と同様に二つの章牌に分かれた一双の作品となっております。
造幣局 白梅図・紅梅図の仕様や図柄、彩色、デザインについて写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。
造幣局 白梅図・紅梅図 青銅章牌の仕様
付属の栞による説明
白梅図
紅梅図
尾形光琳筆『紅白梅図』屏風について
国宝指定でもある紅白梅図は、教科書や切手のデザインなどで一度は目にされた方も多い作品だと思います。作品の実物はなかなか大きいものなのですが、実際に拝見するとその迫力に目を奪われますね。
作品を拝見して最初に感じたのは、中央の流水の力強さ。清流というより濁流とも思えるうねりの独特さは印象に残るものだと思います。また、金地と波や梅の黒地の風合いも見事で重厚感の伝わる色使いも見応えがあるところだと思います。
左右の梅の木は、水流を挟んで向かいあう紅梅と白梅。円熟を感じる梅の幹の表現もお見事で自然な樹木の力強さを感じられます。
造幣局 白梅図の図柄
紅白梅図の左隻を元に構図を忠実に再現されております。
水流は黒地と地金の色合いを活かし、浮彫りにより凹凸がつけられているため立体感を感じられます。梅の木を手前に水流は奥に位置するように表現されているのがわかりますね。
また、細部の作りも見てとれ、梅の幹の肌感や梅の花のつき方などしっかりと落とし込まれているところに章牌の良さを感じます。
造幣局 紅梅図の図柄
白梅図と違った印象に感じたのは、余白のフラットさ?紅梅図の方がすっきりした印象があるのは余白部分の作りなのかもしれません。
梅の木は左隻同様に途中で切れてはしまっていますが、樹木の木肌がよく感じられる作りなのは近影で見ても明らかだと思います。
樹木の幹と枝葉の作り。
左隻の部。
中央の流水。
右隻の部。
造幣局 紅白梅図の採色
彩色はシンプルに地金の色と水流の黒地。また、浮彫りによる影のように見える部分も色合いに深みを感じさせるところだと思います。
梅の花に紅白の色味がつくことはありませんでしたが、金属工芸品らしい重厚さの感じられる風合いであるのは確かだと思います。
造幣局 紅白梅図の背面と刻印
背面および側面は、艶消し金メッキ仕上げ。背面下部に「造幣局製」の刻印が見られます。
化粧箱
化粧箱は、ベロアとサテン生地の一般的なものでした。
フリマサイト、オークション等での実売価格
日付 | 取引価格 | 紅梅図 / 白梅図 |
---|---|---|
2023/12 | 510円 | 紅梅図 |
2023/12 | 1,100円 | 紅梅図 |
2023/12 | 2,100円 | 紅梅図 |
2023/11 | 1,100円 | 紅梅図 |
2023/11 | 2,000円 | 紅梅図 |
2023/10 | 1,360円 | 紅梅図 |
2023/09 | 1,000円 | 紅梅図 |
2023/09 | 500円 | 紅梅図 |
2023/08 | 1,000円 | 紅梅図 |
2023/04 | 2,200円 | 紅梅図 |
2023/04 | 420円 | 紅梅図 |
2023/03 | 512円 | 紅梅図 |
2023/03 | 2,303円 | 紅梅図 |
2023/02 | 2,100円 | 紅梅図 |
2023/02 | 2,200円 | 紅梅図 |
2021/03 | 3,480円 | 白梅図 |
2021/02 | 3,480円 | 白梅図 |
2016/12 | 2,200円 | 白梅図 |
2016/02 | 3,000円 | 白梅図 |
紅梅図の2023年の取引価格と白梅図は過去遡っての取引価格が上記になります。
なお、造幣局の価格表(2023年4月時点)によれば、どちらも15,500円の販売価格で掲載がありました。
以上、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)