銀価格(先物)の下落と上昇要因覚え書き

銀の延べ棒 ブログ
銀の延べ棒

 先物取引をしていない銀製品の現物ホルダーによる銀価格下落と上昇要因の覚え書き。

  • インフレによる価格上昇
  • 金はもちろん銀も伝統的な安全資産。通貨の価値が下落する局面に買われる
  • 電気自動車、太陽光パネルなど実需による上昇
  • 金価格上昇に伴う連れ高
  • 以前はもっと高かったからもっと上がってもおかしくない
  • 円高円安も上昇と下落の要因の一つ
  • 工業用需要減退による下落
  • 株高は銀価格下落の要因の一つ

インフレは様々な物の価格の上昇要因。当然、銀はインフレヘッジのコモディティの一つでもあるため。買われる、価格が上昇する。

通貨の価値が下落するということは信認の薄れ、信用不安が起こっているとも考えられ、安全資産が買われる結果につながる。(リーマンショック後の金銀高騰の要因の一つ)

工業用需要の拡大に伴う実需の上昇。過去にはスマホの普及拡大時期に銀が買われる局面があった。(スマホなど家電製品にも銀は使用されている)
昨今は、太陽光パネルの普及の話題があり(特にアメリカのバイデン政権)、カーボンニュートラルなどの国策や法改正も影響が大きい。

銀価格は金と連動しているので金が騰がれば銀も騰がる。金価格との乖離は金銀の比率に着目すると把握できる。

以前はもっと高かった・・・というのはリーマンショック後の1オンス50ドルをつけていた頃を体験していた投資家の声。ただし、当時は投機的なマネーがかなり入っていたことを考えると今一つ現状の相場には当てはまらない。

仮に銀価格の変動がなく為替が円安となれば、ドル建ての価格は下降します。
1オンス=20ドルであれば、20ドル×100円=1オンス2,000円
ドル円が100円から110円の円安になり、かつ銀の価値が変わらなかった場合(=1オンス2,000円のままだった)、
2,000円÷110円=18.18ドル
単純計算すれば、1オンス=18.18ドル にドル建てで見ると下落することになります。当然、円高であればドル建てでは価格の上昇につながります。

工業用需要減退による下落は、経済の先行き見通しが悪いことによって起こる。工業用需要の高い銀は下落につながる。

株高でリスクオンの相場は安全資産の銀にとっては逆風。安全資産からリスク性資産への資金の移動による下落が考えられる。

この他、投機筋の動き。以前には銀先物の取引高は、現物の銀の総量を超えているため、現物の銀を買い集めれば銀の供給量がひっ迫し価格高騰につながるといった謎理論のニュースを見たことがあります。当然、銀の産出量はメキシコやペルーが本気を出せばかなりの量を増やせます。そんなに簡単に買い集められる話ではありません(当然、そうしたニュースの後に銀価格が高騰するような話もありません)。

以上。

タイトルとURLをコピーしました