金・銀・銅は、どの国で産出量が多いのか?
ふとした疑問を思いつき、調べる前におぼろげながら見知った知識で言えば・・・。
例えば、1800年代はアヘン戦争でイギリスが中国から銀を獲得していた時期。たしか中国の国内通貨と言えるものも銀だったと思います。このためアヘンによって銀不足(インフレ)に陥った中国がイギリスと対立してアヘン戦争が起こってしまうと。また、少し時代を進めると日清戦争。たしかこの勝利で日本は賠償金として銀を800トンだったか受け取っていたと思います。個人的には銀の産出量が多いイメージがある中国です。また、メキシコも然り。大航海時代の折、スペインが鋳造した銀貨がメキシコ銀と呼ばれていたと思います。産地ですね。他にも国内に目を移せば、石見銀山。島根県の世界遺産でもありますが、戦国時代で石見銀山は重要な収入源でありました。尼子氏、大内氏、毛利氏とかの地で隆盛を誇った国々は石見銀山に支えられた経済力があったと考えられています。
金に関しては、それほど明るくはありませんが、思い出されるのは大航海時代。とは言ってもゲームの知識です。KOEIの大航海時代の金交易だとシエラレオネ。初めてアフリカ大陸に足を延ばした先に見る交易路でした。この先にもサンジョルジェ、ケープタウンと金交易できる地域はありますが、序盤で言えばヨーロッパに近いシエラレオネをよく使っていた思い出がありますね。金と言えば勝手なイメージはアフリカです。
銅山もそこまで知っていることはなく、国内だと足尾銅山。というより足尾銅山鉱毒事件か。明治時代の公害事件は日本史にも出てくる事柄なのでご存知の方も多いはず。世界的に有名なのはチリ、ペルーなどの南米。産出権を巡ってニュースにもなることがあるため見聞きしたことがある程度です。
ここまでが知っていること。この後は調べてみた、金・銀・銅の世界生産ランキング。
金の世界生産ランキング
外務省「世界いろいろ雑学ランキング 金の産出量の多い国」より
2021年度 金の産出量の多い国
順位 | 国名 | 産出量(トン) |
---|---|---|
1 | 中国 | 370 |
2 | オーストラリア | 330 |
3 | ロシア | 300 |
4 | アメリカ | 180 |
5 | カナダ | 170 |
6 | ガーナ | 130 |
7 | メキシコ | 100 |
7 | 南アフリカ | 100 |
7 | ウズベキスタン | 100 |
10 | インドネシア、ペルー | 90 |
中国が一位とは。ちょっと驚きなのは、昨今、米国債を売って金を買い増ししているのが中国ではないかとニュースで見かけたからです。金の高騰の要因で語られたりもしていますね。その中国が産出量も一位とは。ロシアあたりも資源国と知られるだけあって金でも上位でした。
銀の世界生産ランキング
GLOBAL NOTE「世界の銀生産量 国別ランキング・推移」より
2020年度 銀の生産量の多い国
順位 | 国名 | 産出量(トン) |
---|---|---|
1 | メキシコ | 5,541 |
2 | 中国 | 3,378 |
3 | ペルー | 2,772 |
4 | チリ | 1,576 |
5 | ロシア | – |
6 | オーストラリア | – |
7 | ポーランド | – |
8 | アメリカ | – |
9 | ボリビア | – |
10 | アルゼンチン | – |
やっぱりメキシコ、それに中国。今も変わらず産出量はワンツーです。また、ペルー、チリも強く、やはりロシアも上位に入ってくると。ロシアに関しては天然ガスや原油でもよく見聞きする方も多いと思いますが本当に資源大国ですね。
銅の世界生産ランキング
GLOBAL NOTE「世界の銅生産量 国別ランキング・推移」より
2019年度 銅の生産量の多い国
順位 | 国名 | 産出量(トン) |
---|---|---|
1 | チリ | 5,787,400 |
2 | ペルー | 2,455,440 |
3 | 中国 | 1,683,700 |
4 | コンゴ | 1,290,500 |
5 | アメリカ | – |
6 | オーストラリア | – |
7 | ロシア | – |
8 | ザンビア | – |
9 | メキシコ | – |
10 | カナダ | – |
チリ、ペルー、メキシコの南米。コンゴ、ザンビアのアフリカ、中国、ロシアの東欧・東アジア。他は定番のアメリカ、オーストラリアなどが並びます。金銀銅のいずれにも言えますが昨今の価格高騰。おそらく世界各国インフレの影響も大きいと思いますが、価格が落ち着いてくることはあるのでしょうか。
金銀銅に限らず天然資源を持っている国は経済力の下支えになると思います。昨今では外交カードとしても使われるのを目にすると輸入に頼る日本は大変だなぁとしみじみ思います。