造幣局製金属工芸品の収集のきっかけ

天正大判 ブログ
天正大判

 世の中には様々なジャンルの品を収集される方がおられると思いますが、金属工芸品、それも造幣局製に偏ったものとなると、そうはなかなかいないのでは?

もちろん、私の周囲にもそういった方はおらず、趣味の世界のマニアックな話をする機会はありません。個人的には積極的に趣味の話題で誰かと盛り上がりたい気持ちはありませんが、ちょっと気になるのはたしか。

例えば、自分でも何でこんなもの集め始めたのだろうと思ったりします。収集のきっかけなどは人それぞれな面があって興味深いものかと。

子供の頃の思い出「切手」

切手
切手の収集

金属工芸品の収集に至る直接的なきっかけというより、収集癖をこじらせるきっかけと言った方が正しいかもしれない。

切手というのも子供が集めるにはマニアックで、いくら30年以上前のことだと言ってもそんな子供は周りにいません。男の子が収集に関心があるとすればビックリマンチョコやガムラツイスト、カードダスといったものだったと思います。(実際に私も集めていた)

なぜ切手か?と言えば、親の影響。そんなところですが、親も集めていた程ではなく遠方の友人と文通をしており、その都合で可愛らしい切手や綺麗な切手を添えていたので。それで結構いろんな種類の切手を持っていたわけですね。
当時の子供の私からすると「へ~、こんなにたくさん種類があるものなんだ」くらいの話です。

そして、これもまた親の影響になりますが、幼少時代に歴史も好きでした。というか、父親から織田信長・豊臣秀吉・徳川家康くらいは小説を読んで知っておけ。と言われていたこともあって。
長くなるので少々省くと歴史に興味を持つ過程で刀剣や茶器、美術品といった類まで小説や資料で触れる機会があり、そこから骨董品のような物にも興味を持っていってしまった感じですね。

話を元に戻すと、小学生の低学年か中学年くらいの頃、とある日に百貨店のそごうに母親と一緒に出掛けたことがありました。
母親は、買い物をすましているからおもちゃ屋さんかゲームコーナーでも見ておいてと。
たしか、ゲームコーナーは屋上か上層階にあったと思うのですが、探しているうちにたまたま見かけたのが古い切手や古い紙幣を扱うスタンプショップ。ショーケースにずらりと並ぶ初めて見る切手や紙幣に釘付けでした。

中でも明らかに古そうな切手、国宝であろう仏像や寺社・神社といった文化財の切手には、歴史好きであったことも相まって子供ながらに興味津々でしたね。
しばらくして、母親と合流し、あそこのお店をちょっと見てみたいとリクエストをすると、色々と見てまわって、古い切手を一枚だけ買ってもらえたのが収集の本当の第一歩だったと思います。

それから切手は、たまーにそのスタンプショップで一枚ずつ買うくらい。後は、駄菓子屋なんかにも切手くじみたいなものがあって、それもたまーに買っては集めたりしていた感じですね。
今思えば、シートで買えていればいい収集になったと思いますが、お金のない子供時代だったのでお小遣いの範囲でちょっとした楽しみに集めていた感じでした。

貨幣セットを知ったきっかけ

貨幣セット
プルーフ貨幣セット

切手はしばらく集めていましたが、中学・高校と進むにつれて様々なものに興味が移るところで小休止。保管はしていましたけど、集める手は止まっていました。

また、メダルや章牌を集める前に、貨幣セットを所持していましたが、これを知ったきっかけもふとしたものだったなぁと。

社会人になると職場でお世話になった上司の方などが勇退されることも多々あります。
そういった折にお礼や感謝を込めて花束や記念品のようなものを贈ることがありますが、その取り纏めやお品を選んだりすることをよくやっていたような気がします。
そんな経験もあって、全く関係ない所で送別会やらなにやらあった際に、同僚から何かいいものってない?って相談を受けたりすることも。

全く関係ない所と言っても、何度か飲みの席でご一緒したことがある方も多く、なんとなしに人となりも知っていたりします。
食べ物の好みが結構あったとか確かお酒はワインをよく飲んでいたなとか。身に付けているものはシンプルだけど質のいいものだったなとか。
その時は、ワインが好みであれば、誕生年のワインとか入社年のワインとかもいいんじゃない?と伝えたような気がします。同僚は予算次第で考えてみると言っていましたが、誕生年など意味合いのあるものもいいなって探すようでした。

それでその話は終わりましたが、少し気になってワイン以外に年ごとに作られている物って他にないかなって探していた時に見つけたのが「貨幣セット」でした。
それもプルーフ貨幣セットというものを初めて知って、一般には流通していないけど、磨き上げた現行貨幣を毎年発行しているんだなぁというのを初めて知りました。(これはこれでいい物だなと)

ただ、これを知ったのが10年くらい前だったので、当時でもものすごい数の貨幣セットが販売されていました。プルーフ貨幣セットに限っても1987年から販売されていたと思いますので30年以上分ありますし、通年販売の他にも記念行事等で発行される物を含めれば100を超えます。集めていくには大変そうだなって思いました。

調べていく内に金属工芸品にいきつく

様々な貨幣セットを調べていくうちに、造幣局のホームページを見れば貨幣セット以外の品、メダルや章牌の類が毎年のように発行されていることに気付きます。
金製、銀製、プラチナ製、値段はピンキリで金やプラチナは数十万円、銀製でも数万円。収集されている人もいるのだろうけど、これはお金のかかる趣味だなぁ。

しばらくは手を出していませんでしたが、とあるときに資産運用ってどういった方法があるのか調べていた際に、金(地金)もいいらしいって耳にします。

地金は資産運用にいいのでは?

地金
地金

しかし、金の地金にほいほい出せる程のお金は持っていなかったので、いいんだけどそこまではお金がないんだよなぁ..って感じでした。
金は、先物で商品を買う手もありましたが、その時は金融商品に疎かったこともあり、金の先物なんて怖くてできないって感じでしたね。

それで、じゃあ銀ならどうなんだろう・・・って調べていると、銀製品で資産運用なんて話はあまり聞かれなかったです。
いまいちなのかなとも思いましたが、銀相場を見てみるとそれなりに安定している。一時期、太陽光発電が盛んだった頃に銀の需要が増えた関係で高騰した時期もありましたが、下値は60円程度、上値が90円程度って感じでした。

では、銀だとしてどんな物で資産運用とするべきかは色々とあったのですが、ただただ保管してねかしておくなら地金。延べ棒みたいなものなんでしょうけど、確かに保証されているものだし資産運用に適している。
偽物つかまされたら嫌だなって思っていましたので、現物で資産運用するなら地金がベストかなと思っていました。

ただ、地金となるとその時々の相場に少し上乗せされた価格となり、地金を購入した時から上乗せされてしまった分マイナスなんですよね。投資のように今後価値の上昇が見込めるものならいいかもしれませんが、地金の価値は正直わからない。だったら等価かそれ以下で購入したいのが正直なところ。
それで、色々と調べていくうちにメダルや章牌だとそこまで高くないし、古物であれば相場より下値で入手することも場合によってはできる(当時はできた)。

偽物でなければ損することも少ないだろうし、案外いいのでは?

というのが、メダルや章牌に手を出すきっかけでした。結構不純な動機ですね。(今思うと)

特に七宝章牌

七宝章牌
七宝章牌

造幣局製のメダルや章牌の中でも一線を画しているなと感じた「七宝章牌」製品。

目に留まったきっかけは、造幣局博物館で見られた七宝焼きの展示物。
これまでに造幣局で制作された七宝章牌の一部がショーケースにずらりと並びますが、これが圧巻。
七宝の鮮やかな色合いと立体的な造形美。章牌の限られた余白で表現される作りに目を奪われました。

もちろん、写真や画像では拝見したことはありましたが、実物を見るとまた違ったものですね。重厚感がよく伝わり、質感の高さが伺えます。

これはいい!

そうは思うのですが、やっぱりお高い。七宝章牌は高いですよね。とは言え、古物であれば定価より半額以下で手に入れることはできるので、お値打ちなのですが。
現行作品の七宝章牌は銀製であるため、なんとか手が出るくらいの価格です。とは言え、定価も10万円を超えているし、2000年以降に作られたものに限っても20作品以上あります。
お金も大変ですし、古い品となると探すのも大変です。

古い品はほとんど見つからなかったりするので、いまだに探し続けているものもありますね。

収集家の皆さまはどんなきっかけなんでしょう?

七宝章牌以外にも国宝章牌や肖像メダル、桜の通り抜けといったあたりは、毎年一作品ずつ作られています。
金製のものを毎年購入していたら100万円では足りないくらいなので、本当にお金のかかる収集品。
かなりニッチな趣味の世界だと思いますが、収集家の皆さまはどんなきっかけで集め始めたのでしょうか?

なかなか話す機会も場面もありませんが、人それぞれのきっかけがあって、それもまた面白味のひとつだと思います。

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