前回に引き続き翁の舞。
造幣局製の翁舞の作品は、電鋳板のものと章牌(プレート)のものがあります。また、電鋳板は翁本体の大きさが大小異なるものがあるようです。
制作の年代はおそらくになりますが、1970年代や1980年代あたり。陽の目に当たらず長期保管であったため手持ちの電鋳板はそれなりの状態を保った品になります。
造幣局 翁舞の仕様について写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。
造幣局 翁舞 電鋳板の仕様
作品に付属する説明書きは以下の通り。
その演奏にあたつても身心の清浄を第一とし、あくまで森嚴に、少しの澁滞もなく強く朗らかに奏する事を本義とする。
本作品は翁の面を着けて舞ふ「翁の舞」を表したものである。
また、飾額(電鋳板)の出来上がるまでの説明書きは以下の通りです。
造幣局 翁舞の外箱と外装
外箱は臙脂のもの。かなり古い品ですが箱のダメージも少ない状態だと思います。
箱を開けてみると電鋳板の説明書きが一枚同封されております。また、電鋳板の上にはクッションが敷かれておりましたが写真はそれを取った後の状態になります。
額装の下生地はスエード調の紺色のもの。額装の大きさに比べて本体の大きさは控えめであることがわかります。
額装裏は、木枠に若干の劣化が見られますが状態は悪くないと思います。
造幣局 翁舞の細部
翁舞本体をよく見ると表面のザラつきがわかります。
手持ちの品は表面にザラつきがあるような状態でした。背面も翁も同じように全体的に出てしまっている感じですね。
細部の作りもしっかりしており金属工芸品らしさがあります。
また、左下に原型製作者の号と思われる「隆」の文字入り。他作品(高砂・羽衣)でも同様に「隆」や「隆範」の銘が入っておりますので、同じ製作者によるものと思われます。
遠目で見る分には気付かないものですが、近くで確認してみると表面はこの通りザラつきが結構ありました。経年劣化か作りの粗さかはわかりませんが古いお品です。現行品とは違った風合いであるのは仕方ないと思っております。
フリマサイト、オークション等での実売価格
日付 | 取引価格 |
---|---|
2023/11 | 700円 |
2018/02 | 1,195円 |
2015/01 | 520円 |
造幣局製の翁舞は、電鋳板のものは上記の通り。電鋳板より章牌(プレート)のものの方がよく見られるようです。
なお、造幣局の価格表(2023年4月時点)によれば、電鋳板が83,800円、章牌は19,200円の販売価格で掲載がありました。
以上、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)