記念メダルの材質は、主なところで金・銀・銅は誰しもご存知だと思います。
昨今、地金の価格が高騰を見せておりますが、金や銀はもちろんのこと銅でさえそれなりの価格までになってきました。純金はグラム1万円超え、純銀はグラム150円超え、銅はキロ単位で1kgが1200~1500円程度といった具合です。値幅は結構な上下を見せていると思いますが、数年前に比べると本当に値上がりしたと感じます。古くからのメダラーの方は純金製や純銀製をよくお持ちであればひと財産を築いていらっしゃるかもしれません。
記念メダルは、雑多なものだと材質不明もよくあります。古参のメダラーであれば大きさと重さでなんとなく材質は判断されているかもしれませんが、そもそもどんな種類があるかあまり詳しくないと難しいものです。
個人的にも気になった記念メダルにはどのような材質の種類があるかを調べてみました。
主要な材質、純金、純銀、純銅
この辺りは品質証明などに記載があったりするためよく目にするものです。当然、純金>純銀>純銅の順番で価値が高く、純金、純銀製のメダルは資産運用としても収集される方はいらっしゃると思います。純銅に関してはそこまでの価値はないかもしれませんが、10円硬貨が銅製(銅95%)のため将来地金の価値が上がって貨幣としての10円の価値を上回るなんて話もありました。実際のところは流通貨幣を地金として売ったり、溶かしてインゴットにすることはできないため地金の価格高騰目当ての収集は難しいものがあったりします。
白金(プラチナ)
レアメタルのひとつ。過去には金の価格を超えてプラチナの方が高かった時期もありました。プラチナ製の記念メダルは、20年近く前に造幣局製の記念メダルでも採用されていたことがあります。また、比重も高いためずっしり重みがあるのも特徴です。
パラジウム
ロシアの記念メダルやイスラエルの記念メダルで見たことがあります。パラジウムは希少性の高いレアメタルのひとつと呼ばれ、産出量、埋蔵量は、金に比べてもとても少ないと言われています。地金の価値も高く、概ね白金(プラチナ)に近い価格で取引されているようです。
丹銅と黄銅
丹銅と黄銅もよく見られます。丹銅と黄銅の違いは、合金の割合。
丹銅は、亜鉛が5~20%未満。黄銅は、亜鉛が20%以上。別名「真鍮」とも呼ばれています。
当然、亜鉛の割合が少ない丹銅の方が地金の価格が高く、黄銅の方が少し割安といった具合です。丹銅は、九一銅(銅9、亜鉛1の割合から)と読んだりもして、呼び分ける場合は、亜鉛の割合が5%程度のものを丹銅(もしくは赤胴)と呼んで分けていたりします。黄銅に関しては、亜鉛が20%以上という割合によっては変わってくることがあります。例えば、5円硬貨は黄銅製ですが、銅60%、亜鉛40%といった感じです。地金の価値を気にするなら割合も気になるところです。
一般的なメダルに関しては、真鍮製のものが圧倒的に多いと思います。真鍮に金銀のメッキを施したものが多く出回っております。
青銅(ブロンズ)
金はゴールド、銀はシルバー、では、銅は?と聞かれて「ブロンズ」と答えたくなる気持ちはとてもよくわかります。オリンピックの銅メダルもブロンズメダルと呼ばれます。(決して、銅=Copper だから カッパーやコッパーメダルとは呼びません)
青銅(ブロンズ)は、主成分に銅、さらに錫を加えた金属合金で、銅90%、錫10%といった割合のものがあります。しかし、用途によって特性を変えるために、鉛、リン、アルミニウム、マンガンなど様々な混合物を加え、工業製品など幅広く用いられています。
白銅とニッケル
白銅は、銅を主体としたニッケル10%~30%含む合金のことを指します。また、ニッケルと言えば白銅貨の500円、100円、50円に使われる混合物です。錆びにくい性質を持つ金属なので世界各国の貨幣に素材として採用されています。
おそらく記念メダルではあまり見られないと思います
洋銀(銀ではない、洋白とも呼ばれる)
収集をはじめた当時はわかりにくかった洋銀。銅、ニッケル、亜鉛の合金で、銀が含まれていないので要注意。銀食器でよく見られるものですが、記念メダルでも洋銀刻印のあるものがたまにあったりします。
ロジウム
あまり詳しくないのですが、海外製の貨幣でロジウムメッキされていたものを見たことがあります。銀白色の金属で仕上げに使われていたようでした。
金属以外のガラス製、アクリル製
ガラス製は、クリスタル製と言われたりもします。トロフィーや表彰メダルに使われるケースもあり、昨今はよく見られるようになってきました。どちらも透明な質感を生かしデザイン性の高い装飾を施せるため表彰メダルなどにもってこいのようです。
以上になります。銀製のものは他にもスターリングシルバー(92.5%)、メキシカンシルバー(95%)と呼ばれたりするものもあります。また、洋銀も洋白やニッケルシルバー、ジャーマンシルバーなどと呼ぶこともあります。海外製のものも含めていくと呼び方も多岐にわたるため名称の違いがわかりにくさにつながっていると思います。