造幣局 袈裟襷文銅鐸文鎮の紹介

造幣局 袈裟襷文銅鐸文鎮 その他記念品
袈裟襷文銅鐸文鎮

 本文鎮は、国宝指定である「袈裟襷文銅鐸」(香川県出土)から図柄を採用されたものになります。

銅鐸部分を大胆に浮彫りにし、青銅製の経年の特徴を緑青仕上げにて表現されております。
図柄に関しては、原図である銅鐸を忠実に再現されていることから七宝の美麗さが伺えるというよりは図柄の奇抜さが印象的な品であると思います。
おそらく、1960年代かそれより前に製作されたものと思われますが、珍しい一品であると言えるでしょう。

袈裟襷文銅鐸文鎮の仕様や図柄、彩色、デザインについて写真と共に記載いたしましたので、お時間あればご拝読お願い申し上げます。

造幣局 袈裟襷文銅鐸文鎮の仕様

文鎮の図柄と仕様
文鎮の図柄と仕様
材質:丹銅
直径:約7cm×6.5cm
重さ:約195g
仕上:七宝・緑青・銀メッキ艶消し仕上げ

以下、付属の栞による説明。

『この文鎮は、弥生時代に鋳造された代表的工芸品である銅鐸から図柄を採用し、当局の伝統的工芸技術により制作したものであります。
 もとの銅鐸は、国宝「縦横平帯六区画袈裟襷文銅鐸(伝・香川県出土)」であり、袈裟襷文とは、銅鐸の表面の文様から分類された呼称の一つで、施文が縦横の帯で区画され、僧侶の袈裟文様に似ているところからこの名称がつけられています。
 製作にあたっては、図柄を浮彫りにしたうえに緑青仕上げを施し、周囲は丹銅地金に七宝を盛り、銀メッキ仕上げにしてあります。』

なぜ銅鐸と呼ぶのか

袈裟襷文銅鐸文鎮の表
袈裟襷文銅鐸

銅鐸というと義務教育の中でも目にすることがあるため、普段使われない言葉ながらもどういった物かを想像できる人は多いと思います。

しかし、銅鐸の言葉の意味となるとわからないもので単純に考えれば銅で造られた鐸というわけですが、今度は「鐸」の方がよくわからない。

「鐸」というのは、鈴のことで器の中に鐘を打ち鳴らす木や金具を備えています。現代でいうところの大型の風鈴のようなものかもしれません。
おそらく「鐸」の字ではなく「鐘」の字で書かれていたなら誰にもわかりやすいように思うのですが、これもまた意味があるところで。

鐘というとお寺の鐘、梵鐘と呼ばれる釣鐘がありますが、これは鐘たたきの棒を以って鐘の外側を突いて鳴らします。
一方で鐸というのは、器の内側に木や金具の舌(ゼツ)がぶら下がっていてこれを振り鳴らすと言います。
また、鐘は突くという意があります。
このような違いから「鐘」という字は使われなかったのだと思いますが、常用漢字外である漢字が用いられている所からも時代を感じさせるものですね。

なかなか言葉の意味となると古い物はよくわからないものですが、「鐸」の字の訓読みの「すず」をご存知の方は、容易に想像がつくのだと思います。

造幣局 袈裟襷文銅鐸文鎮の図柄

袈裟襷文銅鐸文鎮の表
袈裟襷文銅鐸文鎮の表

一見、銅鐸部分は埋め込まれたかのような出来栄えですが、図柄を浮彫りにしたうえに緑青仕上げをされているようです。

銅鐸の絵柄は原図と同じく、

上段が「スッポン」と「蜻蛉」

袈裟襷文銅鐸文鎮の表
スッポンと蜻蛉

中段が「盾と矛をもつ人」と「弓矢をもつ狩人と鹿」

袈裟襷文銅鐸文鎮の表
盾と矛をもつ人と弓矢をもつ狩人と鹿

下段が「脱穀する人」と「高床式の建物」

袈裟襷文銅鐸文鎮の表
脱穀する人と高床式の建物

と思われます。

また、背景部分は、銅鐸の絵柄を縁取る格子を施した帯の部分を採用されておりました。

袈裟襷文銅鐸文鎮の表
格子柄

袈裟襷文銅鐸文鎮の採色

袈裟襷文銅鐸文鎮の表
緑青仕上げの銅鐸

七宝は、紺青透を使用。背景の線画の上に青の透け七宝を盛られております。

また、銅鐸の部分は緑青仕上げ、青銅の変色を上手く表現された風合いと言えるでしょう。

本文鎮は、銅鐸の縁取りの部分、外形の部分の銀メッキが剥がれている品が多く、経年の劣化が見られやすいのも記憶に残っているところです。

背面

袈裟襷文銅鐸文鎮の裏
背面

背面は光沢仕上げ。造幣局製の刻印も見られます。

袈裟襷文銅鐸文鎮の裏
造幣局製刻印

化粧箱

袈裟襷文銅鐸文鎮の内箱
化粧箱

化粧箱は、外装がベロア生地、内装がベロアとサテン生地の一般的なものになります。

フリマサイト、オークション等での実売価格

日付 取引価格
2023/05 3,619円
2021/06 2,600円
2021/04 5,755円
2021/02 2,595円
2020/08 2,495円
2020/03 3,599円
2019/03 1,800円
2019/01 5,385円
2018/05 981円
2018/01 1,000円
2017/06 4,000円
2016/06 4,200円
2015/12 1,000円

直近で確認できたところはこの13件でした。

かなり古い品で、製造数も限られていたと思います。
なかなかお目にすることがかないませんが、五千円以内で入手できればありがたいところだと思います。

以上、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。ご拝読ありがとうございました。(管理人)

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