地方自治法施行60周年記念千円銀貨 岩手県の平成24年銘。45,000円前後で取引されています。超プレミアです。定価が6,000円なので、8、9倍の価格がついていることになります。
なぜこんなに高いのか?高い理由をまとめたいと思います。
岩手県には、平成23年銘と平成24年銘がある
元々、岩手県の千円銀貨は平成23年に発行数100,000セットが発売されます。これは他の都道府県同様の定期発売のものでした。
そして、平成24年のものは追加販売されたもので発行数10,000セット。発行数からして希少なものになります。これは、平成24年5月に開催された「MDCコイン・コンペティション」において『最も美しい貨幣(Most Beautiful Coin)』賞を受賞したことを契機に追加販売されたものです。
平成23年銘と24年銘のものとで大きな違いはありませんが、年銘が「平成24年」となっています。
現在の取引価格は、おおよそ以下の通り(2023年5月時点の相場)
平成23年銘 | 平成24年銘 | |
---|---|---|
取引価格 | 6,000円前後 | 45,000円前後 |
ダンボール未開封品などは、50,000円を超えることもあります。
平成24年銘の発行数は、10,000セットと希少
発行枚数が少ないこともさることながら、発売方法も少し特殊でした。
海外販売・広報用 | 1,000セット |
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岩手県内直接販売 | 4,000セット |
通信販売 | 5,000セット |
岩手県外の方は、通信販売の5,000セットから抽選で当選者のみ購入が可能な仕組み。そして、抽選の倍率がまたシビアでした。
申込数 | 当選確率 | 当選倍率 |
---|---|---|
214,163 | 2.3% | 42.8倍 |
発行数が10,000セットと少なく、当選確率が低く、欲しい人の手に入りにくい物。ということでプレミア価格になっております。
都道府県による人気と45,000円の価格の理由
ちょっと疑問なのが24年銘のものが45,000円前後で取引されていること。この価格はどこからきたのでしょうか?相場だからと言われたら元も子もありませんので、多少の根拠となりそうなところを都道府県による人気から見てみます。
人気があるかないかは、造幣局が公表している抽選会の結果の当選倍率で測れます。(応募が発行数を超えた際に行われる抽選会)
都道府県 | 当選倍率 |
---|---|
大分県 | 3.84倍 |
静岡県 | 4.77倍 |
東京都 | 5.54倍 |
岩手県(24年銘) | 42.8倍 |
※県民・都民からの申込者の場合、当選率は上記の半分で調整されていました。※上記は全国応募者の当選確率。
これを見る限り、当選倍率に比例して価格も高くなる傾向にあるのがわかります。
例えば、大分県の千円銀貨の実売価格は現状、4,000円前後です。また、東京都の千円銀貨が、10,000円前後です。岩手県(24年銘)と大分県の当選倍率の差を考えると10倍強。価格も10倍強したとすれば、40,000円強になります。現状の実売価格45,000円に近いとも言えなくもありません。
一方、東京都と比較すると価格はもっと高くてもおかしくない計算になってしまうため、都合の良い計算結果であるとも言えますが、なんとなくの値付けの理由とも言えるのではないでしょうか。
需要動向によりけりな面が大きいとは思いますが、希少な発行数と人気により現状はプレミア価格で取引されているのだと思われます。